米国大統領 中米の児童労働に苦言 [メキシコ]

26日、米国のオバマ大統領は、同国ABCテレビでのインタビューの中で、メキシコを経由して米国国境へ不法侵入する、エル・サルバドル、ホンジュラス、ニカラグアからの児童労働者を念頭に、「児童労働者は強制送還する」との考えを明らかにした。その上で、米国で働かせるためにメキシコへ子供を送る中米諸国の人々へ向け、「親は自分の子供を米国国境に送らないよう」求めた。

ホンジュラスの人権委員会の報告によると、2009年から2014の間に米国へ不法侵入した中米の未成年者は、少なくとも7万7,243人に上るという。しかし、一方、同期間に米国へ向けて出発した未成年者の内訳は、グアテマラが2万7,579人、ホンジュラスが2万5,985人、エル・サルバドルが2万3,679人の計10万4,822人となっている。

また、ホンジュラス一国を見ても、同国から今年1月~5月に米国に不法入国した未成年者は、1万3,282人となっており、一日88人という計算になる。一方、米国の報告では今年に入ってから既に5万2,000人以上の未成年者が不法入国しているとの報告がある。

ホンジュラスのファースト・レディ、アナ・ガルシア・カリアス(Ana García de Hernández)女史は、これら未成年の児童労働者を送りつける親に対し、「密入国斡旋業者へ支払う手付金1万5,000ドルは子供たちを危険にさらすためではなく、貯金するなりして子供の将来へ役立てるよう」呼びかけている。

これら児童労働者の米国越境ビジネスは、主にメキシコの麻薬カルテルによってコントロールされているが、中米諸国にいる両親が麻薬カルテルに手付金を払ったとしても無事に米国へ入国できる保証はなく、麻薬カルテルによる人身売買等の被害遭うケースがあとを絶たない。各種報告における数字の誤差は、人身売買に遭った児童の多さを端的に物語っているといえよう。
タグ:社会
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